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高学歴社会が生み出す韓国において「N放世代」の不幸とは何か?


春期講習が一段落したと思いきや、来週からの本格的な通常授業再開に向けて、やはりバタバタ続いてしまっている村上です。

スペシャルプレゼントのお申込みもたくさん頂戴していますが、ほぼ全部対応できていない状況です。申し訳ないです。来週以降、少しだけ?落ち着いてくる頃に入るので、そこから順次対応していくつもりです。ご迷惑かけます。

西船橋・稲毛駅前ともに、大半の学年で募集を打ち切っていますが、あと1名くらい募集している学年もあります。詳細は募集状況をご覧下さい。

さて、学歴社会どころか格差社会化がどんどん進むこの国ですが、おとなり韓国でも十分悲惨なことになっているようです。東洋経済オンラインに乗っていた記事をご紹介します↓

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学歴が高ければ幸せな人生を送ることができるというのは世の中の常識のようだが、それを裏切るような現象が韓国で起きている。日本では徴用工判決や慰安婦など歴史問題をめぐる対立ばかりに焦点が当たっている韓国だが、抱えている問題は日韓関係だけではない。

ついに1.0%を切ってしまった合計特殊出生率、50%を超えた成人男性の未婚率の高さ、10%を上回る若い世代の失業率と、若者世代は今、踏んだり蹴ったりの状況に置かれている。こうした問題の背景にあるのが皮肉にも、主要先進国に比べて突出して高い韓国の大学進学率だというのである。

どの大学でもいいから、ソウルを目指す

韓国の大学進学率は1980年代には20%台だったが、特に金大中大統領時代に積極的に取り組んだ結果、1990年代後半から急速に上昇し、2008年ごろには約80%を記録した。2年制の専門学校が次々と4年制の大学に転換されたことも進学率を高めた理由だという。その後は少し落ち着き、最近は70%前後が続いているが、それでもOECD諸国の平均値である約6割に比べるとかなり高い。

その結果、韓国では高学歴信仰がかなり定着してしまったようで、筆者の知人である韓国の大学教員は、「学士(大学卒)でなければまともに結婚できないという空気が社会に生まれている」という。ところが高い大学進学率が予想外のことを引き起こした。

先日、韓国の複数の地方大学を訪問する機会があった。訪問先のある大学の総長が次のような話を紹介してくれた。

「韓国では今、大学受験を控えた若者の間で、“in Seoul”という言葉がはやっている。どの大学でもいいから、とにかくソウルに行かなければ負け組になってしまうという意味です」

「若者の夢は、ソウルの大学に合格して卒業し、ソウルの企業に就職し、ソウルで家庭を築き子どもを作り、ソウルで一生を暮らすこと。彼らの多くは出身地に戻ることを決して考えないのです」

高度経済成長時代を経た日本でも東京一極集中という同じような問題が起きているが、日本通でもあるこの総長は、「日本には東京のほか、大阪、京都、名古屋など地方都市にも有名な大学があり、優秀な学生が分散して進学している。ところが韓国ではソウル以外に有名校があまりなく、すべてソウルが中心なのです」と語る。

大統領制の韓国では多くの権力が大統領に集中する。そうしたシステムがもたらす空気が社会にも反映されているのか、若い人たちは情報や活力などにあふれるソウルの大学に行かなければ、自分たちは将来豊かになれないと危惧しているのかもしれない。

その危惧が、激しい受験競争につながっている。日本の大学入試センター試験に当たる「大学修学能力試験」の日、何らかの事情で遅刻しそうになった生徒を乗せた白バイが市街地を走る映像は恒例行事になっている。

高い大学進学率が就職率を低下させる

ところが、この高い大学進学率とソウルへの過度の集中が、皮肉にも大学卒業生の就職率の低下を招いているというのだ。全国紙の1つである中央日報によると、4年制一般大学の平均就職率はこの4年間で64.5%から62.6%に下がった(1月22日付)。

名門校で知られるソウル大学、高麗大学、延世大学の卒業生の就職率も7割を切っているというのであるから尋常ではない。3人に1人が就職できないというのは、大学にとっても親にとってもかなり深刻な問題である。

就職率が低い原因は、大学生の要望と企業の需要のミスマッチである。首都圏の大学卒業生はもちろん、地方大学の卒業生も財閥企業を筆頭に大企業への就職を求めてソウルに集まってくる。そうなると企業側の求人数が学生の要求をすべて満たすわけはない。多くの学生が満足できる就職先を見つけ出せないまま卒業するか、意図的に単位を残して大学に留年し、就職活動を継続するという。

一方でソウル以外の地方企業には求人を満たせないところもあるという。学生がソウル以外の企業への就職を希望すればもう少し就職率は上がりそうだが、冒頭に紹介したように学生の希望はソウルに集中している。韓国全体の失業率は4%ほどだが、20代の失業率が約10%と突出して高いのは、こうしたミスマッチが一時的な現象ではなく構造的な問題になっていることを示している。

先の大学総長は、「大学を卒業した若者は、自分たちは大卒にふさわしい仕事をすべきであると考えて、ブルーカラーの仕事は大卒のやることではないと拒む傾向がある。その結果、ブルーカラーの労働者が足りなくなっており、多数の外国人労働者が埋めている」と解説する。

問題はまだ続く。希望どおりに就職できなかった若者は安定的な職業に就けず、収入は不安定になる。その結果、結婚は困難になる。それが晩婚、晩産を通り越して、高い未婚率につながっている。またソウル首都圏に人口が集中したため、マンションなどの住宅価格や賃貸価格が高騰した。これも若者にとっては大きな負担となる。

せっかく、大学を卒業したにもかかわらず就職できない、結婚もままならない、せっかく就職先を見つけても住宅費が高すぎる。若者にとってこの上ないほど厳しい環境だ。さらに、厳しい受験競争を経験してきた彼らは、自分たちの親が多額の教育費を費やしてきたことを知っている。自分たちも同じことをするのかと思うと気が重くなる。

「高学歴社会」が、今度は若者の結婚や出産にとって重荷になっているのだ。その結果が合計特殊出生率0.98という数字に表れた。

実際、韓国統計庁が公表する人口や結婚などに関する統計はすべてが負の方向を示しており、2067年には65歳以上の人口が生産年齢人口(15~64歳)より多くなると推計している。数字のうえでは、日本より深刻な少子高齢化社会が到来する。

将来展望描けぬ「三放」「五放」世代

韓国には世代ごとに人々を分ける表現がある。文在寅政権の中枢を担っているのが「386世代」と言われる人たちだ。この言葉が登場した1990年に30代で、1980年代に学生時代を過ごし、1960年代に生まれた人たちという意味で、学生時代に民主化闘争の先頭に立っていた世代だ。韓国経済が順調に成長していたころに大学を卒業したため、就職にも苦労しなかった恵まれた世代ともいわれている。

これに対し最近、韓国のマスコミにしばしば登場するのが「N放世代」という表現だ。「N」には数字が入り、「三放世代」は恋愛や結婚、出産をあきらめた世代を、また「五放世代」はさらに家やキャリアも放棄した世代を意味している。いずれも今の若者世代を表現しており、不安定で将来の展望を描けない状況を示している。

「386世代」が1980年代後半、全国各地で民主化闘争を展開し目標を達成したのは、朴正煕、全斗煥と長く続いた軍事政権下での人権弾圧などに対する不満と批判のエネルギーが蓄積され、それが爆発したからだった。それから30年たった現在、若い人たちが政治や社会に対する不満や批判のエネルギーをため込んでいることは間違いないだろう。

韓国では、朴槿恵・前大統領を退陣に追い込んだ2016年の「ろうそく革命」に示されたように、国民がデモなど直接的行動で大統領や政府に政治的要求を突きつけ、それが政治状況を大きく転換してしまうことが多い。このまま「N放世代」が増え続けると、今はまだおとなしい彼らがやがて結集して、巨大な政治的エネルギーを噴出する日が来るかもしれない。

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数年前からの地方創生の名のもとにおける首都圏有名私大の定員厳格化による不合格者続出によって、中学受験や高校受験(もしくは小学校受験)において有名私大の付属校の倍率が跳ね上がっているのをご存知の親御さんも多いかと思います。

過度な受験戦争への扇動は、いずれ無気力な若者を次々と生み出すことになってしまいます。夢破れたとき、人生が終わったと錯覚し、すべてにおいて自暴自棄になる若者もそれなりに出てしまうことでしょう。

日本以上に韓国の学歴社会の凄まじさはある程度存じていますが、それにしても学歴社会の競争性が高ければ高いほど自殺率も世界でトップクラスになってしまう…やりきれないのが本音です。

私たちはこの先、生きていくことの歓びをどう構築し、どう享受するのか…私もまだまだ答えが出せないでいます。

ただ、過度な学歴社会はみんなを不幸にするということだけは確かなようですね。

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